角を矯めて牛を殺すことなかれ 2008 8 9

 巷では、「不動産不況」という言葉を聞きます。
こうした言葉を聞くと、頭に思い浮かぶことがあります。
「角を矯めて牛を殺す」
 この意味は、「少しの欠点を直そうとして、
その手段が度を過ぎ、かえって物事全体をだめにしてしまう」(広辞苑)。
 確かに、不動産は、
都心において、局所的にバブルが発生していたかもしれません。
また、同時期に、行儀の悪い不動産業者も存在していたかもしれません。
 しかし、そうした欠点を直そうとして、
日本全体を、「不動産不況」にしていいのか。
 官僚は、秀才タイプが多いので、
どうしても、判断が「角を矯めて牛を殺す」ことになってしまうのです。
 だからこそ、そこは、政治家が大所高所から判断すべきですが、
政治家も、二世議員が多いので、
どうしても、思考方法が官僚に似てしまうのです。
これが、今の日本の欠点と言えることです。
 大所高所から判断し、
不動産価格の下落がないように、政策的に努力すべきです。

官製不況。
どうして、同じ過ちを繰り返すのか?
 2004年8月19日の日本経済新聞には、このような記事があります。
「新宿の西富久の土地には、旧日本債券信用銀行など複数の銀行が、
総額数百億円の融資をつぎ込んでいた。
 ところが、旧大蔵省が、不動産向け融資を抑制させる『総量規制』を導入。
資産デフレの中で、融資の担保になっていた土地は、
1平方メートル約200万円から55万円に急落。
 担保割れで、融資は不良債権化し、
地上げ途中の土地は、そのまま塩漬けになった。
 土地神話を背景に膨らんだ不動産担保融資は、
地価下落で、巨額の不良債権に姿を変えた。
 銀行は、公的資金注入を受け、
金融再編を繰り返しながら、その処理に10年の歳月を要した。」


















































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